通告に基づき、公債費負担適正化計画の前倒しについてと農を主体とした総合的な地域づくり
について質問いたします。

 まず、公債費負担適正化計画の前倒しについてですが、
国は平成184月から地方債を発行するさいの制度を「許可制度」から「協議制度」に変え、
それに伴い
4つの財政指標基準を定めました。その中のひとつが実質公債費比率であります。
これは周知のとおり、
3年間の単年度公債費比率を平均化した数字で、18%を超える自治体は
財政再生健全化団体とされ、毎年「公債費負担適正化計画」を県に提出することが義務付けられております。

但し、実質公債費比率という指標は新たな指標であり18%を超える自治体もいきなり18%未満
にすることは難しいので、国は
7年間で18%を切るように計画しなさいという猶予をもうけました。
これに基づき波田町も昨年1812月に計画書を提出しております。この時点で町は7年間での
是正は困難ということで、
8年後に17.5%にするという計画書を作成しました。
そして今年の実質公債費比率も18%を超えたため、928日に計画書を提出しております。
これによりますと、19年度は19%と高い数字ですが、20年度は18.1%21年度18%22年度には17.9%
となり、
3年後には国の財政指標をクリアできる計画になっています。
つまり、昨年新たに設定された実質公債費比率という財政指標を7年間の猶予期間を待たずに達成し、
財政健全化団体から脱却できるのです。
これは、町当局ならびに行政職員の努力の成果であると
大いに評価できると思います。

さて、先ほど今年度提出された健全化計画は928 日と申し上げました。
その後1012日の全員協議会の席で今年度新たに29700万円の繰上げ償還を実施したいとの説明があり、
今定例会に補正予算案として計上されております。
つまり、今年度提出した健全化計画は9月ですので
この中には
29700万円の繰り上げ償還分は含まれておりません。もし今年度提出の健全化計画書にこの
29700万円が組み込まれていれば、もっと早い時期にそれも18%を大きく下回ることになります。

確かに借金を返すことは大事であり、町の財政を預かる側としては早く借金を減らしたいという気持ち
は理解できますが、町の財政運営は常に起債
(新たな借金)をし、国、県の財政支援を受けながら事業を
行うという仕組みになっており、借金がなくなるということはなく、そのために借金の額を明らかにし
て、その範囲以内で健全な財政運営をしていくことが求められるわけであります。

つまり、ちゃんとした返済計画を基に、国の定める財政基準を守っていけば健全な財政運営と国は認め、
町の裁量で事業ができるということです。したがって、返済計画以上に返済額を増やしても町財政運営に
それほどプラスにはならないことになります。かえって借金返済に回された分だけ町の事業が減らされ、
町民益にはつながらなくなります。

例えば29700万円のうち1億円を町の事業に振り当て、残り19700万円を返済しても今年度提出された計画書
22年度で17.9%にする計画より早くに目的を達成できるわけであります。

そうであるならば、合併を前提に町政運営をしている町長の姿勢として、借金を返済することに汲々とせず、
町民益を考え町づくりの方策に心血を注ぎ、合併後も活き活きとした地域になるような施策に予算を割くべき
だとおもいますが町長の見解をお伺いいたします。

町長答弁

先ず、「公債費負担適正化計画の前倒しについて」のご質問にお答えを致します。

 この計画については、議員の仰るとおり地方債の発行について協議制度が導入される中、その自治体の実質的
な公債費の標準財政規模に占める割合を比率で表す、「実質公債費比率」の数値が、協議の基準とされる
18パー
セントを超えた場合は、起債の発行には許可が必要になると同時に、
18パーセントを超えるたびに「公債費負担
適正化計画」の策定を義務付けられ、原則として7年以内に
18パーセント以下にするというものです。

 波田町の実質公債費比率は、ご承知のとおり、平成17年度決算時で18.2パーセントであった為に、平成1812
に「公債費負担適正化計画」を策定し、公債費負担の適正化を達成させる期間を、8年掛けて
18パーセント以下に
していく計画としました。
このような状況の中、今年度、公布された「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」
において、この「実質公債費比率」を含む新たな4指標のいずれかが早期健全化基準を超えた場合は、財政健全化
計画の策定が義務付けられることになります。

この適用は平成20年度決算数値からで、この為、早期健全化基準を最重要事項として念頭に置き、繰上償還を行い、
早期に実質公債費比率を適正値である
18パーセント以下にする計画としました。

 今年度の予算編成においても、「安全・安心のまちづくり」、「健康づくりの推進」を基本理念とした重点施策
に財源を充て、町民の皆様のご協力をいただきながら、施策を実施しておりますが、今後、奥原議員の言われる、
区からの改善要望・災害対策・生活向上などの施策の更なる充実を図る為にも、ここで実質公債費比率という、波
田町の「弱い部分」を改善し、早期に健全化を図ることが、人で言えば病気を引きずらず、早く完治させて、健康
で働ける体になる事と同様で、最優先事項であります。

そして、国で示す早期財政健全化の基準をクリアすることが、国・県から干渉されることなく、真に自立できる
財政基盤の構築につながり、自治を高く掲げる為には必要不可欠です。その事は、取りも直さず、町民益向上への
近道にもなると考えております。


質問


次に農を主体にした総合的な地域づくりについてですが、

波田町には肥沃な土地と豊かな山林そしてきれいな水があります。
この自然の恵みを受けながら波田町は発展してきました。
しかし、最近は肥沃な土地も荒廃化が進み、今後も農業従事者の高齢化と後継者難でさらに荒廃する傾向に
あります。
また、波田町の7割を占める山林も人工林に手が入らず災害の危険に晒され、里山の荒廃によって
熊やサル、イノシシの食害が深刻な問題となっています。

これは、日本全体が歩んできた戦後日本の農業政策及び林業事業の負の遺産ともいえます。
21世紀になり、高度成長を支えてきた大量生産、大量消費、大量廃棄という仕組みから今ある自然と共生し、
地球環境を大事にした生活スタイルに変えていくことが人類の生き残る最大の手段であるといわれるようにな
りました。世界的視野にたってみれば、今後食糧難とエネルギー不足、水不足そして地球温暖化が大きな足か
せとなり、
21世紀末には人類の生存さえ危惧される状況であります。こうした時代の流れのなかで、波田町が
これから進むべき道は、荒廃化の進む優良農地の再生と豊かな山林の復活であると考えます。

優良農地の再生と山林の復活は産業面で捉えても波田町に大きなインパクトをもたらし、
町の活性化の柱にもなると思います。
この潜在的魅力に富んだ豊かな農林資源を最大限に活用した総合的な
地域づくりを官民一体となって推し進めることが、住民自治をうながし、自立した地域として生き残れると
考えます。
その具体的方策として、たとえば荒廃している、または耕作できなくなりそうな優良農地をまと
めて借り入れ、有機農法を主体とした安全な食べ物をつくる。
里山を整備して間伐材を利用したきのこ栽培、
バイオマスエネルギーの生産。
生産物を加工して年間300万台通るといわれる観光客に販売する。
まだこのほかにいろいろなことが考えられ、農、林を主体とした総合的な産業を育成することが波田町の将来
に最も必要なことだと思いますが、町長のお考えをお伺いいたします。


町長答弁

 次に、農林業を主体にした総合的な地域づくりについてのご質問にお答えします。

波田町の魅力は、自然環境、地形的な景観など、恵まれた自然資源の中で農林業を主体に発展をしてきました。
今後の産業振興面からの町の活性化を方向付けする上でも、奥原議員のご提案の通り、農林業を資源としたまちづ
くりは重要な施策だと考えております。

 平成16年度に策定された産業振興計画の中でも、町産業の目指す姿に、恵まれた自然資源を活かし波田町らしさ
の確立を目指すとしての位置付けもされております。
この魅力を活かす為、本年度から資源循環型農業の研究、食
育推進の中で地産地消の取り組みを柱とした研究を始めております。

 ご質問の総合的な事業を行う組織を官民一体で作り上げ、地域としての特徴を作り出していくことが必要な時期
だと思うが、とのことですが、現在の町産業の振興面から見ると、地域の特徴を活かしていかなければならない時
であり、さらに町の魅力に付加価値を作り出しいく時期だと私も思っております。

地域の特徴を活かした魅力作りのポイントは、地域づくりのリーダーと運営組織が基礎であります。
この為、現在の取り組みとして、昨年から産業面での人づくり、リーダーづくりを目的に、京都大学の岡田教授を
塾長に向え、産業育成塾を開設し、町内の魅力を活かした地域内資源の循環をテーマに活動を行っております。

それに、第三セクターにて発足しています波田町産業振興センターの方向性について、議員の皆様からも多くのご
意見、ご提言をいただき、先の取締役会において、波田町の産業振興の為に、町の魅力を掘り起こし、それに、付
加価値をつけたビジネスチャンスを、新たな視点から、企画、立案していく為の会社として、脱皮させ、存続して
行くことになりました。
現在、各株主から選任された研究チームを発足させ、約1年間を掛ける研究がスタートし
ております。

 現時点では、具体的な取り組みの成果は現れて来ておりませんが、町の取り組みである人づくりと組織づくりが、
今後、この産業振興センターを核に、進んで行って欲しいと思っております。

 ご提案の官民一体の組織は、町民の皆さんの関わりが重要であります。町が主体的に発足させると言うよりも、
先ずは、奥原議員の提案された具体的な事項に対して、町民の皆さんが主体となった組織を立ち上げて頂く事も一
つの方策ではないかと思っております。

町民の皆さんの具体的な提案がまとまって行く中で、行政としての役割は何なのか、何が担えるのかを検討し協力
して行く体制を取れればと思っております。


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